Presentation&Interview #20

InterviewHAMA建築工房 / 濵崎 浩二インタビュー

• 高気密・高断熱の快適性と省エネ性能を備えた、長く住み続けられる家。

  今回のプランは、「長く住み続けられる家」をコンセプトにしました。長く住めるということは、長く満足できるということ。大きな地震で倒壊するとか、夏は暑くて冬は寒いのでは気持ちよく暮らせないですよね。ですからまず耐震性能と室内環境に配慮して、長期優良住宅やZEH（ゼッチ）に対応できる性能になっています。外断熱の壁に守られた魔法瓶のような家ですから、気温の変化に強く、年間を通じて快適に暮らすことができます。

  

• プライバシーを守りながらも、明るく開放的な空間に。

  もうひとつの満足度が、プライバシーの確保です。中庭のあるコートハウスにして、外からの視線を遮りました。中庭の位置はリビングの南側。リビングでは、南面の窓から降り注ぐ光に包まれながら、安心してくつろぐことができます。完全なプライベート空間となる中庭は、タイル敷きにしました。ウッドデッキより耐久性があり、色あせしにくい上にメンテナンスが簡単で、使い勝手がいいと思います。このあたりも、長く住むことを意識しています。

  

• 将来の民泊利用を見越した画期的な間取り。

  間取りは玄関を入って北側にLDKと寝室、水回りを持ってきて、南側を2室の子ども部屋にしています。少し変わった分け方ですが、これは将来、子どもが独立した後に子ども部屋を使って民泊ができるようにしているからです。東側にもうひとつ小さな庭を作っているのも、生活スペースと民泊スペースを自然に離すため。部屋を持て余しながら長く住むのではおもしろくないので、次の展開を見越してのプランとなっています。仏生山は環境が良く、アクセスの良い観光地。民泊の需要は十分にあると思います。

  

• お施主さんが積み上げていく部分も大事にする。

  家作りにおいては、建築家の視点から提案させていただく部分と、お施主さんと一緒に積み上げていく部分の両方を大切にしています。すべてを建築家が決めるのではなく、お施主さんにも家作りに参加してもらうんです。私から最初に提案するプランはシンプルで色のない状態。そこにどんな色をつけるのか、お施主さんと一緒に考えていくイメージです。ある意味、お施主さんの手間は増えますが、自分の家のことを考える楽しい時間でもあります。ここで費やした時間は、家への思い入れに変わるはずです。